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糖尿病・甲状腺疾患についてよくある質問

2022.8.31

野菜を食べない代わりにサプリメントをとるのはどうですか?

Q.野菜を食べない代わりにサプリメントをとるのはどうですか?
A.サプリメントはあくまでも補完食品で、野菜の代わりにはなりません。


野菜でとらなくとも栄養素はサプリメントでとっているから大丈夫、と思っている方もいらっしゃると思います。
サプリメントは特定の栄養素を補う目的の場合は良いと思いますが、健康を保つ目的であればサプリメントが野菜の代わりとはならないでしょう。

野菜を食べるということは、その栄養素や機能性成分をまるごと摂取するということです。
少し専門的な話になりますが、食品の特性は大きく3つの機能に分類されます。

●一次機能…生命に必須な栄養素の供給源となること。体を作る、エネルギーを作る、体の機能・代謝を調整する。
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素や水分などを摂る理由が主にこの一次機能を得るためと言えるでしょう。

●二次機能…ヒトが食べるための嗜好性を良くすること。 味の良さ、色、香り、物性など。
有名なところであれば、色素成分のカロテン、リコペン、アスタキサンチン、クロロフィル、アントシアニンなどや、呈味成分の甘味成分、酸味、塩味、苦味、旨味、辛味、渋味、えぐ味などがこの機能に関係しています。食事を楽しく、おいしく食べるために大切な機能です。

●三次機能…生体調節機能といい、ヒトの健康や疾病予防に関わる成分を含んでいること。
昨今の健康志向に伴う特定保健用食品を含む機能性食品の多くがこの機能に注目したものです。
野菜や果物などの植物性食品は、五大栄養素のように生命に必ずしも必要なものではないですが健康や長寿に良いと言われ、非栄養成分である食物繊維とともに、いろいろな疾病の予防に役立つことがわかってきました。
この機能性をもった植物性成分を「ファイトケミカル」といいます。
たとえば、トマトなどに含まれるリコペンは、抗酸化作用や動脈硬化予防が報告されています。
他にもにんじんなどに含まれるプロビタミンAは抗酸化作用、ほうれん草やブロッコリーなどに含まれるクロロフィルは抗酸化作用やコレステロール調整、ごぼうなどに含まれるクロロゲン酸には血圧調整、血糖調整など、様々な機能性が報告されています。
ちなみに機能性をもった動物性成分は、「ズーケミカル」といわれ、魚のEPAやDHA、乳や鶏卵のカロテノイドなどが入ります。しかしズーケミカルは、動物がエサとして摂取した植物性のファイトケミカルに由来するものが多いとされています。

食品は上記3つの機能を持ち、私たちの健康を支えてくれています。
特に三次機能についてはまだまだ研究がなされている最中です。
例えばリコペンのように、二次機能の色素成分として知られていたものが、三次機能も有するものであることがわかってきました。

まだ明らかとなっていないものも含め機能性成分や栄養素が自然界にはたくさん存在しており、それらを食品から摂ることでまるごと吸収することができます。
野菜はビタミン・ミネラルの生命の維持(一次機能)のためだけではなく、嗜好性(二次機能)、健康の維持(三次機能)のためにも食べており、サプリメントだけでは生命の維持には役立つことができても、嗜好性や健康の維持についての機能は補うことが難しいのです。

8月31日は「やさいの日」です。
野菜を効率よく上手に食べるには、彩りの良い野菜をスープや炒めものなどにすることがおすすめです。
栄養素や機能性成分は楽しく、おいしい食事の中から吸収し、健康に役立てましょう。

参考文献:
中河原俊治編著「食べ物と健康Ⅱ 食品の機能」,三共出版,2013年
中村丁次監修「健康増進のしおり2014-2 彩り良く野菜を食べて、生活習慣病予防」,公益社団法人日本栄養士会,2014年

2022.3.31

健康のために食物繊維を摂ろうと思っています。何かおすすめの食品はありますか。

Q.健康のために食物繊維を摂ろうと思っています。何かおすすめの食品はありますか。
A 食物繊維の多い食品だと効率的に摂ることができるでしょう。

健康を意識されておりとても良いですね。食物繊維について復習しながら考えてみましょう。


<食物繊維と健康の関係>
食物繊維は血糖の上昇スピードを緩やかにする、余分なコレステロールを排泄する、余分な塩分の吸収を防ぐなどが期待できます。
食物繊維は主に野菜類から摂取することができます。野菜類の摂取は食事のかさましにもなるので食事のカロリーカットにもつながります。
様々なおいしい料理を長く健康に楽しむことを考えると、食物繊維は欠かせないでしょう。
しかし外食や中食を利用される方や、野菜類を食べ慣れていない方にとってはなかなか習慣的に食べることが難しく、
つい手軽な野菜ジュースやサプリ類で補おうとしてしまいやすい傾向があります。

<食物繊維の目標量>
日本人の食事摂取基準では食物繊維の目標量は下記の通りです。

18歳~64歳の女性は18g以上、男性は21g以上
65歳以上の女性は17g以上、男性は20g以上

ちなみに、糖尿病治療ガイドラインでは1日20g以上、脂質異常症診療ガイド・高血圧診療ガイドでは野菜類の積極的な摂取と記載されています。
生活習慣病があってもなくても食物繊維の摂取は必要のようです。

<食物繊維量比較>
食物繊維を含む食品100g(生・可食部)当たりと、おおむね1回量となる量当たりの食物繊維量を表にしました。比較してみましょう。

☆野菜編

食物繊維-野菜編

☆野菜以外編

食物繊維-野菜以外編

☆果物
過去の記事をご覧ください。

☆玄米が白米よりも食物繊維が少なくなっているワケ
食品成分表は年々更新されており、2018年以降、一部の食品の食物繊維量は測定方法が更新されました。
一部の食品のみですから、現在は測定方法が混在(A法、P法)しており、データの見比べが難しくなっています。
白米は、以前の方法(P法)では100g当たり食物繊維0.3gでしたが、新しい測定方法(A法)では1.5gとなりました。
玄米は、以前の方法(P法)では1.4gですが、新しい測定方法(A法)による結果はまだ公表されていません。
よって見かけ上、玄米より白米のほうが食物繊維が多いという現象がおきています。
玄米が食物繊維を摂るうえで意味を成さなくなったわけではないのでご安心ください。
ライ麦パンや全粒粉パンも同様にまだ新しい測定方法(A法)のデータがありません。

<食物繊維の具体的な摂り方>
日本人の食事摂取基準では、野菜の目標量は1日350g以上のため、1食当たり野菜120g=小鉢2杯分を考えると
野菜から1食当たりおおよそ2g以上の食物繊維が摂取できるでしょう。

例えば、バランスよく食事をとった場合

1食ごはん150g×3食、1食野菜小鉢2杯(約120g)×3食、
大豆製品を1日1品、きのこ類・海藻類を1日2品、果物適正量で1日1回、肉・魚・卵適宜

を摂取すると食物繊維目標量1日20gを達成することができます。
(ごはん1食2.3g×3食、野菜1食2.0g×3食、大豆製品1品2.0g、キノコ・海藻1品2.0g×2、果物適正量2.0g、トータル21g)

まとめると、
☆1日野菜を350g以上食べる
☆大豆製品を1日1品は食べる
☆きのこや海藻類も1日2品食べる
☆主食は3食適正量食べる
と、十分な食物繊維が摂れていると言えるでしょう。

主食も大切な食物繊維の摂取源ですから、糖質制限をした場合は大豆製品や野菜をより多く摂取する必要があることを知っておきましょう。
野菜350g以上食べることが達成できないのであれば、
代わりにきのこ・海藻類の品数を増やすこと、食物繊維量の多い野菜を選ぶようにすることなどの工夫が大切です。
上記のポイントで達成できない項目があれば、主食を精製されてないもの(玄米やライ麦パンなど)にすると良いでしょう。


以上をふまえて最後に少しだけ私見をお伝えすると、おすすめの食材の1つとしてブロッコリーをあげます。
食物繊維量が多いこと、緑黄色野菜でありビタミン類も豊富であること、冷凍商品もあり手軽であること、
歯ごたえがあり満腹感につながること、ごはんのおかずとしないケースが多く野菜先の食べ方を実践しやすいことが理由です。
冷凍ブロッコリーであれば100g当たり食物繊維4.4g、1房15g程度と推定すると、4房で2.0g以上の食物繊維をとることができます。
電子レンジで解凍し鰹節と醤油で和えるだけでも十分です。
今まで食べていなかった方は1日1回程度食事にとりいれてみるのも良いのではないでしょうか。

2022.2.24

揚げ物は食べないほうがいいですか。

Q.揚げ物は食べないほうがいいですか。
A 病気の有無に関わらず揚げ物を毎日のように食べることは避けたほうがいいでしょう。

揚げ物は揚げ油による脂質と衣による糖質で少量でも高カロリーです。
例えばアジの開き1枚を焼いただけでは約80kcalですが、同じアジをフライにすると280kcalにアップします。
これは1か月毎日食べ続けると体脂肪が約1kg増える計算になります。
ですから、ダイエットや血糖コントロール、脂質コントロールをしたい方には揚げ物の高頻度な摂取はおすすめできません。
しかしもともと揚げ物がお好きな方や、外食や中食が頻回である方にとって、全く食べないというのは難しいですよね。
今回は少しでも低カロリーにするための調理や食べ方の工夫についてご紹介したいと思います。


☆調理・メニュー選択の工夫3点
1)揚げ物の衣は薄くする!
衣を薄くする、すなわち衣を少なくすると、衣の分のカロリーも落ちますが、油を吸う量も減らすことができカロリーカットにつながります。
フライや天ぷらは中身よりも衣のほうに油が多く吸収されます。

具体的な方法
・余計な衣はしっかり払い落としてから揚げる
・使う衣の量かつ吸油量で考えると、おおむね唐揚げ<天ぷら<フライの順でカロリーが高くなる。(吸油量は下表のようになっています)
・フライの時に小麦粉は使わず粉チーズ+パン粉にする。

※冷凍食品の揚げ物は衣が厚いので食べる量に注意しましょう。

①吸油率

 

2)表面積を小さくする!
こちらも(1)と同じ理由で衣を少なくするための工夫です。
材料の表面積が大きければ衣が多くつき、その分吸油量が多くなるので、同じ重量でも材料の表面積が小さいほどエネルギーが下がります。
例えば、豚カツを一口大に切ってから揚げる VS 1枚そのまま揚げる で比べると、下記のようになります。
②カツ
衣がつく量が変わり、油で揚げたときに油に触れる面積も小さくなるため油を吸う量(吸油量)が変わることがわかります。

具体的な方法
・できるだけ大きいまま揚げて、食べやすく切って盛ると良い。


3)衣にも一工夫を!
(1)(2)で衣の量によってカロリーが変わることがわかりました。それに加えて、衣にも工夫をするとカロリーダウンを図れます。
例えば、天ぷらの衣は混ぜ方によって吸油率は差はありませんが、付着する衣の量に差がでます。
粘りが出るまで混ぜ合わせた衣よりも、さっくりと混ぜ合わせた衣のほうが、材料につく衣が少なくなります。
衣に使う小麦粉の割合が多い(濃い)衣のほうが材料に付く衣が多くなります。

また、フライで使うパン粉も種類によって吸油率が変わります。
同じ重量の食材、同じパン粉量で、パン粉の種類だけを変えて比較した結果、
市販の乾燥パン粉<手作り生パン粉<市販の生パン粉 の順で吸油率が上がることがわかりました。
衣が細かいものになるほど吸油率は低くなります。

具体的な方法
・天ぷらの衣はさっくり混ぜ、衣の濃さは濃くならないようにする。
・パン粉は粗いものではなく乾燥の細かいパン粉にする。

ちなみに、揚げ油を多くした場合と少なくした場合では、吸油率はやや変わる程度で大差はありませんでした。
少量の油で揚げる(炒め揚げ)ことよりも上記をこだわったほうが良いようです。
揚げ油はサラダ油や米油がおすすめです。ラードで揚げ物をするのは動物性の体に溜まりやすいとされる脂質が増えすぎてしまうので控えたほうが良いでしょう。

☆食べ方の工夫4点

1)できるだけ活動時間に食べる!
夕食時に食べることはおすすめできません。夕食後は活動量も減り、時間も遅くなれば体にため込みやすくなるとされます。
できるだけ昼食時までに済ませておくと影響が出にくいでしょう。

2)揚げ物だけで食べない!
どのような料理も1品食べになると食べすぎにつながることがあります。
食べすぎを防ぐことに加え、脂質の代謝をあげるためにも主食と野菜も食べるようにしましょう。
食事はあくまでもバランスが大切です。

3)揚げたてを食べる!
油は時間がたつと酸化(劣化)して、風味がよくないばかりか、からだに好ましくない油に変わってしまいます。
生活習慣病の引き金となったり、増悪因子となったりすることが知られています。

4)衣の分の主食を調整する!
衣は、小麦粉、パン粉、片栗粉がほとんどのため糖質となります。
血糖値が気になる方はその分主食量を調整すると影響が出にくいでしょう。
よく食卓に並ぶ揚げ物の衣の量をごはん量で換算したものをお示しします。ぜひ参考にしてください。
③衣-ごはん量換算

かといってごはんなしで揚げ物だけという食べ方は(2)の通りやめましょう。
脂質が増えすぎて、血糖値が下がりにくくなったりコレステロール値の悪化を招く可能性があります。


以上を揚げ物をうまく付き合う方法としてご紹介します。
揚げ物を全く食べないようにするのではなく、食べる時は工夫して食べることが大切です。
当院の栄養相談ではこの内容をもう少し具体的にお話することができます。
興味がある方はお気軽に管理栄養士までお声かけください。

参考文献
『はじめての食品成分表 第2版』(女子栄養大学出版部)
『カロリーダウンのコツ早わかり』(女子栄養大学出版部)
『調理のためのベーシックデータ第6版』(女子栄養大学出版部)

2021.10.6

栄養成分表示を見るように言われました。何を見たらいいのですか?

Q 栄養成分表示を見るように言われました。何を見たらいいのですか。

A どの栄養素も大切ですが、まずはカロリー(熱量)を見るようにしましょう。

近年、料理をしなくてもすぐに食べられる食品がたくさんあり、多くの人が自分で食べるものを選択できるようになりました。
食べたいものを食べられるようになったからこそ、より食べ物に気を配らなければならなくなりました。

市販されている食品(容器包装に入れられた加工食品および添加物)には、
2020年4月1日から新たな食品表示制度が完全施行となり、栄養成分表示が義務化されました。
この表示は、私たちが適切な食生活を実践していくためにつくられました。
食品表示基準別表第9に掲げられ、表示項目、基準、順番など詳細に決められています。
項目は 義務、推奨、任意 とわかれます。


栄養成分表示

例えば炭水化物は義務表示ですが、糖質は任意表示となっています。
炭水化物は糖質と食物繊維から構成されます。主に血糖値を考慮した時に見ていただきたいのは糖質ですが、
記載されていない場合は炭水化物量を確認すると良いでしょう。

さて、栄養成分表示の見方について説明します。
栄養成分表示は見る順番が大切です。以下の順番で見るようにしましょう。



手順1) 最初にカロリー(熱量)を見る
必ず見てほしいものです。たくさん見るのが大変という方は、カロリーだけでも見るようにしましょう。
カロリーを最初に見ることでふるいにかけられ、明らかな糖質過多、脂質過多が起きにくくなります。
目安量はそれぞれ異なるので担当の管理栄養士に確認しましょう。

手順2) 糖質または炭水化物を見る
糖質または炭水化物だけのチェックだと、意外と脂質でカロリーが摂れている、ということも起きてしまいやすいです。
糖質(炭水化物)だけのチェックはオススメできません。
こちらも目安量は担当の管理栄養士に確認しましょう。

手順3) 食塩相当量を見る
塩分は血圧や食欲コントロールのために大切です。
日本人の1日の塩分摂取の目標量は女性6.5g未満、男性7.5g未満ですから、
1食4g以上は多いです。2~3gほどにおさまると良いでしょう。

手順4) その他、脂質やたんぱく質などを見る
1~3がチェック出来たら、他の気になる栄養素をみましょう。
例えば、コレステロールや血糖が気になる方は脂質を見ることをオススメします。
筋肉をつけたい方はたんぱく質を見ることをオススメします。

● 強調表示について ●

栄養成分の量及び熱量について「○○含有」、「低○○」などのような強調表示を行う場合の基準も詳細に定められています。
例えば熱量について、
100mlあたり、5kcal以内なら「ゼロカロリー」「ノンカロリー」など含まない旨を、20kcal以内なら「低カロリー」「カロリー控えめ」などの低い旨の表示ができます。
(100gあたりであれば、含まない旨は同じ5kcal以内、低い旨は40kcal以内となります。)
全くの「ゼロ」ではない場合があるので、過剰に信じすぎないことも大切です。


栄養成分表示を確認することは、病気の有無に関わらず、私たちの健康づくりのために大切です。
実際にみる習慣をつけた方は「思ったより多かった」「こっちの方が少ないのか」
「糖質が少なくてもカロリーが高いものがあるんだ」などの新たな発見があったという感想をよくお聞きします。
栄養成分表示をみる習慣をつけるようにしましょう。

2021.5.31

野菜は目標量の350g以上であれば1日1回でも良いですか?

Q 野菜は目標量の350g以上であれば1日1回でも良いですか。

A 野菜は毎食食べることが大切です。

野菜がなぜ必要なのかを考えてみましょう。


1)野菜で食事のかさましをして食べ過ぎを防ぐ

野菜は「かさ(量)」に対して低カロリーであるものがほとんどです。
野菜がないとついつい主食や主菜を多く食べ過ぎてしまう傾向があります。
主食や主菜はカロリーが低いものではないですから、
調理方法で味付けや油の量を控えめにしても
必要以上に「かさ(量)」を食べると高カロリーとなってしまうことがあります。
低カロリーで知られる鶏ささみ肉は100gで98kcalあるのに対し、野菜はほとんどが100gで10~30kcal程度です。

2)野菜先の食べ方で食後の高血糖を防ぐ

今や知らない人はいないのではないかと思われる野菜先の食べ方、通称ベジファーストは食後の高血糖を防ぐことが報告されています。
食後の高血糖を防ぐことができると、血糖コントロールはもちろん体重増加も起こりにくくなるので太りにくい食べ方とも言えるでしょう。

3)食べたものを効率よくエネルギーに換えて体の調子を整える

食事で摂った炭水化物、たんぱく質、脂質などの栄養素が体に入ってエネルギーに換わるにはビタミン類が必要となります。
食べたものを効率よくエネルギーに換えるか脂肪に換えるかは、どれだけバランスを考えた食事を摂るかどうかで決まると言っても良いと思います。
野菜に含まれるビタミンやミネラルは身体で起こる様々な代謝を上げたり不要な塩分を排出したりしてくれます。
加えて食物繊維は余分なコレステロールの吸収を防いでくれます。


トータルは同じでも1食でも野菜を抜くともったいないことがたくさんあるのです。
日本人の野菜の目標量は1日350g以上、1食120g以上ですが、
これは1食当たり約小鉢2個分で達成できます。
野菜を食べているのにあまり成果を感じられない…という方は、
さらに1食の野菜量を増やすのではなく3食食べることができているかをまず見直してみましょう。

2021.4.19

冷凍野菜を使うのは良いですか?

Q 野菜がなかなか摂れません。冷凍食品を使うのは良いですか。

A 冷凍食品を使うのも問題ありません。

冷凍食品は手抜きや品質が良くないイメージをしばしばもたれているようですが、
良いところもたくさんあります。

【冷凍食品の特徴】


1)保存がきく & -18℃以下で流通しているので衛生的

そもそも冷凍食品とは、通常次の条件を満たしたものをいいます。
①前処理をしている
②急速凍結している
③適切に包装している
④品温を-18℃以下で保管している
この条件を満たしていると、-18℃以下であれば製造から約1年間品質が保たれるといわれています。
家庭用の冷凍庫は-12~-18℃で、ドアの開閉があるので、約2~3ヶ月と考えると良いでしょう。
生鮮品は良い冷蔵庫で適切に管理しても1~7日程が限界でしょうから格段に保存がきくといえるでしょう。
保存がきくため、まとめ買いができるのも魅力です。

2)価格が比較的安価で安定している

冷凍食品は保存がきくので生鮮品に比べて安定して供給できるからか、価格は比較的安価で安定しています。

3)栄養価が落ちにくい

生鮮品に比べて栄養価が低いというのは誤解です。
普段私たちが生鮮品を手にするとき、流通の過程で栄養成分は分解されてしまいますが、
冷凍食品は旬の原料を収穫後すぐに急速冷凍するため収穫時に近い栄養価を保つことができます。

4)調理がしやすい

冷凍食品は前処理をされているものが多いので、切ったり洗ったりせずにすぐに調理できたり、そのまま食べられるものが多いです。
例えば、冷凍ブロッコリーは洗ったり茹でたりする必要がないので、電子レンジで解凍して使用したり、そのままスープに入れたりすることができます。

冷凍ブロッコリーを使った簡単メニュー

☆ツナ和え 電子レンジで解凍したブロッコリーをツナ缶と調味料で和えるだけ
<1人分の材料>
冷凍ブロッコリー1袋
ツナ水煮缶 1缶(約70g、塩分0.2g程度)
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1(塩分量約0.6g)
ごま油 小さじ1(4g)

☆ブロッコリーと卵のスープ スープにブロッコリーと溶き卵を入れるだけ!
<1人分の材料>
冷凍ブロッコリー 1/2袋
溶き卵 1個
生姜(チューブも良い) お好みの量
鶏ガラ 小さじ1(3g、塩分量約1.5g)
水(適量)

ライフスタイルが多様化した今の時代には使いやすいことがわかります。
しかし、冷凍食品を選ぶうえで、安全性を確認するための注意点があります。

【冷凍食品を選ぶときのポイント】


1)品温が-18℃以下で保存されているもの

売り場のショーケースの温度計で-18℃以下となっていることを確認しましょう。
平積みのショーケースではロードライン(※)以下に陳列されているかをチェックしましょう。
※オープンショーケースにはロードライン(積荷限界線)という線が引かれています。-18℃以下に保つことができる限界の高さを表しています。
流通から購入まで-18℃以下で適切に保管されていたものはこんな特徴があります。
・ガッチリ凍っている
・極端な霜がついていない
・食材同士がくっついて固まりになっていない
・変色していない(油やけしていない)、白っぽくなっていない(表面が乾いていない)

2)パッケージや食品が破損していないもの
当たり前ですが、そのようなものは品質が低下しているおそれがあります。

3)きちんと表示されるべき項目が表示れているもの

冷凍食品は、名称、原材料名、原料原産地名、内容量、賞味期限、保存方法、凍結前加熱の有無、加熱調理の必要性、製造者名・・・など
表示することになっています。
加えて、「認定証」マークがついてると信頼の目安となります。

以上のポイントに注意して安心な冷凍食品を活用していきましょう
また、解凍・調理方法は食品のパッケージの記載通りで行いましょう。

2021.1.28

くだものについてもっと詳しく教えてください。

Q 果物についてもっと詳しく教えてください。

A それぞれの果物の栄養価を比べてみましょう。

はじめに、果物の適正量・食べる時の注意点については過去の掲載をご覧ください。

果物の摂取で気をつけることはありますか?

ここで示している適正量は、「糖尿病食事療法のための食品交換表」に基づいたものです。
果物は表2に分類され、1日1単位(80kcal)が適正量とされています。しかしこの1単位という量は、便宜上、エネルギー量に合わせた重量で表されているので、それぞれの栄養価を細かく見ると1単位の量で食べていても多少のズレが起こります。

そこで、食品交換表に基づいた適正量あたりの栄養価を表にしてお示しします。

☆糖質(利用可能炭水化物)量

糖質量が多いとその分血糖値が上昇します。果物1単位80kcalに含まれる糖質量は平均19gとされており、19gを越えているものを赤字で示しています。

☆食物繊維量

食物繊維が多いと、少ないものに比べて血糖値の上昇がゆっくりになり、食後の高血糖を防ぐことができます。カットキャベツ1袋(約130g)に含まれる食物繊維量は2.3gです。それ以上のものを青字で示しています。

☆GI値、GL値

GI値、GL値をご存知でしょうか。

GI値(グリセミック指数、Glycemic Index)とは食品の血糖値の上がりやすさをブドウ糖を基準値100として相対的な数値であらわしたものです。GI値が70以上の食品を高GI食品(赤字)、56~69の間の食品を中GI食品(緑字)、55以下の食品を低GI食品、と定義されています。ただGI値は食品に含まれる炭水化物量を50gに合わせて数値化されたものであり、実際に食べる量を考慮していないというのが問題点です。

そこで、より現実的な数値にするために、食べる量を考慮した値に補正されたものが、GL値(グリセミック負荷、Glycemic Load)というものです。

GL値が20以上は高GL、11~19は中GL(緑字)、10までは低GL、とします。GI値もGL値も高値であると血糖値を上昇させます。

くだもの
(ゴールデンキウイ、日本産さくらんぼのGI値は研究されていません。ぶどう・りんごのGI値は皮付きか不明です。)

一般的に果物は低GI・GLと言われますが、中には高値のものがあることがわかります。
果物にはビタミン量やポリフェノール量が多いことがわかっていますから、糖質(利用可能炭水化物)量や食物繊維量だけでは血糖上昇(GI値、GL値)の説明をつけることはできないでしょう。

ただ、適正量を越えて食べてしまうと血糖値の上昇を招くことは確実です。中には適正量でも糖質量30g越えとなっているものもあるので、果物によって食後の血糖値が大きく違うという方は上表を参考にしてみてください。加えて、フルーツジュースや缶詰、ドライフルーツは糖質量が増え食物繊維量が減るため、果物には分類されませんので、血糖上昇、体重増加、中性脂肪増加を避けるためには控えることが必要でしょう。

2020.12.21

年末年始の食事で気を付けることはありますか?

Q 年末年始の食事で気を付けることはありますか?

A バランスの良い食事を心掛けて新年を迎えましょう。

イベントごとにポイントをご紹介します。
それぞれのメニューのエネルギー量も記載しますので自分に合った量で食べるようにしましょう。

<クリスマス >
ケーキやチキンなど脂質が多くハイカロリーな食事となる傾向があります。
クリスマスメニューを食べる時は、量を食べ過ぎないようにして、必ずサラダ(野菜)を食べるようにしましょう。
ショートケーキ1個 440kcal
フライドチキン1個 240kcal コンビニのものだと240~300kcal
ローストチキン1本(約160g) 290kcal
フライドポテトMサイズ(約140g) 420kcal
ピザMサイズ1切れ 160kcal
ビーフシチュー1人前 600~700kcal
オードブル1人前 500~1300kcal

※ごはん100g(コンビニのおにぎり1個分)=160kcalです。

クリスマス <年越しそば>
普段からごはんは少なく食べていますが麺は1人前食べているという方を多く見かけます。
麺はごはんよりも食べ応えがないため多く食べてしまいやすいので注意が必要です。

生蕎麦1玉(120g) ゆであがり300kcal  ※ごはん190g分
乾麺1人前(100g) ゆであがり290kcal  ※ごはん180g分

<おせち料理>
おせち料理は保存がきくように、濃いめに味付けされています。
砂糖が多いため血糖値は上がりやすく、塩分量が多いため血圧上昇、浮腫みにもつながりやすいです。
1回に食べる量を少なくするために、準備する量を少量にするか、食べる期間を長くしましょう。
手作りする場合はこの時だけ砂糖を低カロリーの甘味料に置き換えるのも良いでしょう。
黒豆1皿 130kcal
伊達巻2切れ 80kcal
数の子2~3切れ 40kcal
かまぼこ2~3切れ 40kcal
栗きんとん茶巾入り2つ 170kcal
ローストビーフ1枚(10g) 20kcal
赤飯茶わん1杯(150g) 300kcal

<お餅>
おすすめの食べ方は具だくさんの雑煮です。野菜や鶏肉などたっぷり入れましょう。
きな粉やぜんざいは砂糖が含まれるため血糖値はあがりやすいです。

切り餅1個 120kcal ※ごはん75g分
きな粉餅1個 140kcal
ぜんざい餅なし1杯 200kcal  (切り餅1個入れると 320kcal)
白玉5個 90kcal

お正月<冬のくだものについて>
冬のくだもの、特にみかんは箱で買うとついつい量を多く食べてしまいやすいです。
みかんは1日2個までなので食べ過ぎには注意しましょう。
箱で買わないようにすることもひとつの方法です。いつも箱で買うという方は検討してみましょう。
他のくだものの適正量は過去のQ&Aをご覧ください。

[果物の摂取で気をつけることはありますか? ]

体重増加は食べ過ぎが続くことで起こります。
食べ過ぎた翌日はできるだけバランスの良い食事を心掛けると体重増加を最小限に抑えることができます。
昨今の社会情勢により忘年会や新年会の機会はあまりないようですが、
年末年始は食事も生活リズムも乱れやすいので、規則正しく楽しんで新年を迎えましょう。

2020.11.25

鍋はヘルシーだからたくさん食べても大丈夫ですか?

Q 冬は鍋を食べることが多いのですが、鍋はヘルシーだからたくさん食べても大丈夫ですか?

A ヘルシーですが、食べ過ぎには注意を。

鍋は冷えたからだを温めてくれ、入る具材も野菜やキノコ、豆腐などで、油を使わないのでカロリーは低く、いわゆる「ヘルシー」です。
しかしどのような食べ物でも食べ過ぎはよくありません。鍋もいくらでも食べても良いわけではなく、以下を目安に食べましょう。

1.食べる量は、取り分け皿で最大3杯程度まで。

いくら低カロリーでも、鍋には塩分が多く含まれます。
市販の鍋の素は美味しいですが、その分塩分が多く入っていることを知っておきましょう。
3~4人前(750g)パウチの鍋の素にはおおよそ18g(大さじ1)の塩分が入り、多いもので20gを越えます。1人用鍋の素は1人前おおよそ4g(小さじ2/3)の塩が入ります。
これは麺のスープと同等の塩分(濃度)となります。さらにそのスープで煮込まれているため、中までしっかり塩分が染み込み、思っている以上に塩分をとっている可能性があります。
塩分の摂り過ぎは血圧上昇や浮腫みの原因になりますので注意しましょう。鍋の素の量を少なく使ったり水炊きにしたりすると、塩分量を減らすことができます。

2.具材は野菜のみではなくたんぱく質のものも入れましょう。

鍋では野菜が摂りやすく、1食の適正量(120g)くらいは食べることができるのがほとんどでしょう。しかし、野菜のみではなくたんぱく質のものを入れることで栄養素の偏りをなくすことが大切です。
肉や魚などの動物性たんぱく質のものと、豆腐や油揚げなどの植物性たんぱく質のものの2種入れると良いです。肉はむね肉やもも肉など脂身の少ない部位を選択し、バラ肉など脂身の多い部位を控えましょう。カロリーオーバーにならないよう、たんぱく質のものはトータル2~3種類程度入れることがオススメです。

3.早食いに注意。

柔らかく煮込まれたことで食べやすく、鍋1品のみとなりやすいため、早食いにつながりやすいです。
ゆっくり30分程度かけて食べましょう。加えて、可能な限り野菜から食べるという方法も忘れずに行うと良いです。

4.シメはほどほどに。

最後にシメを入れると汁気を吸って塩分を多くとってしまいます。主食の適正量が決められている方は量を守って食べましょう。
また、麺はごはんに比べて食べ応えの割りにカロリーも高めです。
ラーメン1玉約340kcal ⇒ ごはん220gに相当
うどん1玉約240kcal ⇒ ごはん150gに相当
複数人で1つの鍋を囲んだ場合、量も把握しにくいため食べ過ぎに注意しましょう。

2020.8.17

夏野菜のおすすめの食べ方はありますか?

Q 夏野菜のおすすめの食べ方はありますか?

A おすすめレシピをご紹介します。

 夏野菜とは、夏に旬を迎える野菜のことで、水分・カリウム・ビタミンが豊富で、彩りも豊かという特徴があります。

夏に摂るべき栄養素がたっぷり含まれているので夏バテ予防、さらには抗酸化物質も含まれるのでがん予防や紫外線対策にも良いとされています。 トマト、ピーマン、パプリカ、オクラ、大葉などの緑黄色野菜や、キュウリ、ナス、ズッキーニ、ゴーヤ、とうもろこしなどがあげられます。

(緑黄色野菜とはカロテン量が600μg以上の野菜と定義されており、野菜を切って中まで色の濃い野菜であることが見分ける目安となります。)

そんな夏野菜の調理のポイントは3つあります。

ポイント1  食材は大きく切る

野菜は細かく切るほどビタミンが壊れて摂取できる量が少なくなります。

大きく切ると良く噛んでゆっくり食べることにつながるので、食後高血糖や体重増加を防ぐことができます。

ポイント2  油を使った調理方法にする (ただし油の使い過ぎには注意)

緑黄色野菜をはじめとした色の濃い野菜には、カロテンを含む脂溶性ビタミンという油に溶けるビタミンが多く含まれるので、油を使った料理にすると効率良く吸収させることができます。

油の種類は体に溜まりにくいサラダ油やオリーブオイルなどの植物性油を使用するのがおすすめです。 たくさんの油を使用するとカロリーアップにつながり、体重増加を招きやすいので1回量は1人当たり小さじ1程度までにしましょう。

ポイント3  味付けは風味やうま味を使う

ニンニクや生姜、カレー粉など風味のある調味料や、鰹節やきのこ、トマトなどのうま味成分の多い食材を使うと、 夏に疲れた体でも必要な食事を摂るための食欲を出してくれますし、 塩分摂取量も抑えることができるので、浮腫みの解消や高血圧予防・改善にもつながります。

この3つのポイントをおさえたおすすめのレシピをご紹介します

ラタトゥイユ〜フランスの家庭料理で、野菜の水分だけで煮込みます。

使う食材:トマト(缶OK)、ピーマン、パプリカ、ズッキーニ、玉ねぎ、ナスなどお好きな野菜と、しめじなどきのこ類、鶏肉またはショルダーベーコン、オリーブオイル

作り方:野菜は大きめの食べやすいサイズに切る。しめじは石づきをとる。オリーブオイルで肉を炒めて、野菜を入れ軽く炒めたらあとは煮込むだけ。味付けは塩、こしょう、ニンニク、コンソメなどでお好きな味付けに。

キーマカレー〜通常のキーマカレーよりも大きめに食材を切ります。

使う食材:玉ねぎ、ピーマン、パプリカ、ナス、トマト(缶OK)、茹ブロッコリー(冷凍OK)、ひき肉(鶏ひき肉だとより低カロリー)、サラダ油

作り方:野菜は1.5cm角ぐらいに切る。サラダ油でひき肉を炒めたら、玉ねぎ、ピーマン、パプリカ、ナスを入れて軽く炒める。トマトを入れて煮込む。

煮込んだらコンソメとカレー粉末、コショウを入れてさらに少し煮込み、最後にブロッコリーをのせて完成。

ピーマンのおかかきんぴら〜お弁当のおかずにも良いです。ピーマンではなく人参にしても良いです。

使う食材:ピーマン、サラダ油、砂糖、醤油、ゴマ、鰹節、お好みで赤唐辛子輪切り

作り方:お好きな大きさに切ったピーマンをサラダ油で炒める。砂糖、醤油それぞれ1人当たり小さじ1を入れて軽く炒める。火を止めてゴマ、鰹節、赤唐辛子を和えて完成。

まるごとオクラのラー油和え〜作り置きできます!ラー油ではなくゴマ油にすると辛さも抑えられます。

使う食材:オクラ、ラー油、オイスターソース、醤油、すりおろし生姜、すりおろしにんにく、砂糖、ゴマ

作り方:オクラは茹でてガクをとる(下処理)。容器に調味料を混ぜ合わせ、茹でたオクラを入れて、漬け込み完成。

夏野菜を含めた野菜類全般は、血糖値の上昇を穏やかにし、コレステロールの吸収を抑え、余分な塩分を排泄し、低カロリーなため量増しとなりカロリーの摂り過ぎも防ぐことができる食材です。

野菜摂取は、高血糖、高コレステロール、高血圧、肥満などの改善には欠かすことができません。

1日の野菜の目標量350g以上のところ、札幌市民の1日の平均野菜摂取量は成人男性297g、成人女性281gと、男女問わず小鉢1つ分程度不足しています。(平成28年札幌市健康・栄養調査より)

夏野菜をたくさん食べて、暑い夏も乗り切りながら、生活習慣病も改善していきましょう。

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