Q 清涼飲料水の摂取で気をつけることは?
A 血糖値の急上昇に気をつけましょう。
「甘さ」を感じる飲み物は、通常の砂糖類を使ったものと、人工甘味料を使ったものに大別できます。
それぞれの特徴を整理していきましょう。
<通常の砂糖類をつかった飲料>
主なもの:加糖・微糖コーヒー、加糖の紅茶、ジュース、炭酸飲料、味付きの水、スポーツドリンク、エナジードリンク、野菜ジュースなど
含まれる糖質:砂糖、ブドウ糖、ブドウ糖果糖液、果糖ブドウ糖液、果物果汁など
液体に溶けている糖質は、吸収がとても速く、血糖値を急上昇させます。
炭酸飲料500mlペットボトル1本約230kcalあり、そのエネルギーのすべてが糖質によるものなので砂糖で換算すると約60g、大さじ6杯半、スティックシュガー19本分となります。
知らず知らずのうちにエネルギー量オーバーとなり肥満にもつながります。
さらに、砂糖類に含まれている「果糖」を分解する過程でプリン体を含む体内物質をつかうため、尿酸値を上げることもわかっています。
<人工甘味料を使った飲料>
主なもの:ダイエットソーダなど、「カロリーゼロ」「カロリーオフ」「糖類ゼロ」「糖類オフ」と記載されているもの
含まれる糖質:アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなどの人工甘味料
人工甘味料は種類によって砂糖の100~600倍の甘さを出すことができるため、使用量を少量にし、「ゼロ」や「オフ」を作り出すことができます。
血糖値やインスリン濃度を直接的に上昇させる可能性は低いと言われています。
しかし、最近の研究では長期のダイエットソーダの摂取で肥満リスクが増加し、その肥満によって糖尿病を始めとした生活習慣病を発症するリスクも増加させることが報告されています。
この理由についてはいくつかの報告があげられています。
・「カロリーオフだから」という安心感で余計に摂り過ぎてしまうという心理的な理由
・本来甘味を感じたら血糖値が上がるはずであるのにそうならないことで体のバランスが崩れるため
・強い甘味に慣れて、より甘いものを摂取したくなるため
・腸でも味覚を感じ、甘味でインクレチン(インスリンを出すためのホルモン)分泌が増え、インスリン量が増加し、糖の取り込みが促進され、肥満となる可能性
・腸内フローラ(腸内細菌叢)が変わって、耐糖能異常を起こすのではないか
以上のことから「カロリーゼロ」だからといっていくらでも飲んでもいい、とはなっておらず、まだまだ研究が必要ということが言えます。
あわせて「ゼロ」は全くの「ゼロ」ではなく、「ゼロと表示できる基準」の範囲で記載されているということもご承知おきください。
甘い飲み物を飲むと余計に喉が渇くので、水分補給はお茶や水が望ましいです。
体重や血糖値、血中脂質を下げたい方は摂取を控えたほうが良いでしょう